被後見人さんが亡くなった日に後見人として行ったこと(備忘録)

先日、被後見人さんがお亡くなりになった。
その日にしたことを、備忘録として残したいと思う。


病院からの連絡を受ける

連絡を受けた後、親族への連絡を行い、その後裁判所に向かう必要があるかもしれないので、半日ほど時間がほしい旨伝えておいた。

親族へ連絡・訪問

親族へ数回電話するもつながらないので、直接訪問することにした。
同じ市内であったため、訪問が出来るが、遠方の場合は、電報などで伝えることになるのであろうか。

長男と話すことが出来るも、関わり拒否。後見人が納骨までしてほしいとのこと。
長女は留守。連絡がほしい旨の置手紙を置く。

家庭裁判所に電話

親族が死亡後の手続きが出来ない場合は、家庭裁判所に後見人が手続きを行うための許可申請が必要。
事前に調査した時には、死亡時の手続きには添付書類は不要と何かで見たが、念のため問い合わせると、死亡診断書が必要とのことであったので、病院に電話して死亡診断書の用意をお願いした。

病院へ死亡診断書を取りに行く

病院で死亡診断書を受け取る。
病院から、ご遺体の引き取りはいつですかと尋ねられ、準備のためにおよその時間を知りたいとのことであったので、先に葬儀社に連絡し、お迎えの予約を入れる。
無事予約が取れた。

家庭裁判所へ行く

家庭裁判所にて「成年被後見人の死亡後の死体の火葬等に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為についての許可」の申立を行う。
必要なもの

 許可申立書(事前にほとんど書いておいた)
 収入印紙 800円(事前に購入済み)
 切手 84円分(事前に購入済み)
 死亡診断書のコピー(裁判所内でコピー)

急ぎの手続きもあるであろうから、審判書が届く前にも手続きは進めてよいとのこと。

病院へ戻り、入院費用などの精算手続きを行い、葬儀社と待ち合わせ

荷物の受け取り・サイン、精算を行う。
そして葬儀社の方と待ち合わせ。
この時までに、死亡診断書の左半分の死亡届に必要事項を記載した。
本籍等の情報が必要。
届出人の欄には「後見人」の欄があるので、そこにマーク。

葬儀社の方がご遺体を運ぶには、死亡診断書が必要なので、原本を渡す。
その際、登記事項証明書の写しも預ける。
葬儀社に預けるものは、登記事項証明書の原本と写しがいいのかもしれない。
(私は原本は事務所に置いたままにしていた)
その際、写しには「これは登記事項証明書の原本の写しに相違ない。名前・印」と記載し、原本還付を受ければいいかもしれない。
私はここで写しのみを渡したので、後日、市役所の戸籍担当に登記事項証明書の原本を持参することになった。
死亡届は葬儀社の方が出してくれ、登記事項証明書の写しで受理してもらえたようだ。

このあたりの手続きは、葬儀社の方が詳しいので、事前に何を渡せばいいか、打ち合わせをしておくといいかもしれない。

また、後見人や葬儀社の方で、こうしているよ!という良い例があればご教示くださると幸いです。

ご遺体は、火葬の日取りが確定するまで、葬儀社に安置をお願いした。

反省点

登記事項証明書は原本を持参しておく。
そして写しも予備として持っておく。
後見人としての手続きには、何かと「登記事項証明書」の原本が必要である。

事前にしておいて良かったこと

被後見人さんは生活保護を受けられていたので、事前に福祉事務所の厚生課の担当者にどのような手続きが必要か、相談しておいた。
その際、葬儀社の数社、紹介を受けておいた。(その中の1社に依頼)

被後見人さんは遺留金が割と多くあったので、その中で葬儀費用は賄うことになった。もし、遺留金が少ない場合には、葬祭扶助といって西宮市は209,000円までお金が下りるそうだ。要は、この金額の中で葬儀代などを抑えることになる。
その際は「葬祭扶助申請書」を後見人が出すことになる。

行政書士後見人日記 2 おひとり様同士の支えあい 時期が来たら 早めに後見人にバトンタッチを

先日、おひとり様同士で支えあっているとみられる方からご相談あり

今まで 自分が後見人のようなことをやってきた方がいるけれど
その方の体調がすぐれない
施設から来てくれと連絡あり

自分も高齢 しかも遠方 コロナ禍でもあり 
自分の代わりに その方のお葬式 手続きまで 代わりにしてくれないかと

窮状は理解できるのですが 手続きには時間がかかります

体調がすぐれない方をAさんとします

Aさんに本当にご家族がいないのか 相続人になられそうな方はいないのか
その調査から始めなければなりません
それと並行して そのAさんの意思を確認していきます
意思が確認できれば 死後事務を含む任意後見か 法定後見の補助か保佐類型に当てはまるかの検討
意思が確認できないのならば 法定後見の手続きが視野に入ります

ご家族が本当はいらっしゃるのに 私が勝手に お葬式や 死後の手続きをするわけにはいかないのが現状です

おひとり様同士の支えあいは とても大切です
さみしいときに語り合ったり 相談事をしたり 会いに行ったり

でも お相手が歳を取るということは ご自身も歳を取るということ

お元気なうちに 専門家にバトンタッチし
どうか 支えあいはそのままに 専門家ではフォローできない部分を担ってあげてください

早めのバトンタッチが大切です

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